アフターコロナに向けて動き出すビジネス

アフターコロナに向けて動き出すビジネス

 2020年1月から感染拡大し始めた新型コロナウイルスも、各国でワクチン接種が開始されたことで経済活動を再開する動きがでてきています。変異株による再度の感染拡大や、世界で見れば一部の先進国だけでワクチン接種が進みワクチン格差が広がっている問題など未だ予断を許さない状況もあります。しかし、具体的な時期は分からずともいずれ訪れるアフターコロナという未来へ向け世界中が徐々に動きだしている今、次のビジネスをどのように考えていくと良いのでしょうか。今回は完全な終息ではなく、ワクチン接種などにより今よりも医療体制が整い、新型コロナウイルス感染症がある程度コントロールできるようになった状態をアフターコロナとし、訪れる変化を考えていきたいと思います。

リベンジ消費

 コロナ収束後に起きることの一つとして、リベンジ消費が挙げられています。リベンジ消費とは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため行動を制限され我慢を続けた結果、その反動で購買意欲が爆発的に高まることで起きる消費です。これは実際に中国で起きた消費行動からつけられた言葉でもあります。中国以外にも欧米をはじめワクチン接種が進み規制が解除された国では、旅行やイベント、飲食店などでの消費が増加していきました。アフターコロナでは、このように今まで抑制されていたビジネスの急回復が見込まれています。
 しかし、ここで注意したいのがアフターコロナに対し共通して言われている「コロナ以前と同じ状態には戻らない」ということです。リベンジ消費はあくまで一過性の現象で、時間の経過とともに落ち着くとされています。すでに消費者の生活や価値観は変化しており、規制が解除されることで一時的に消費行動が活発化したとしても、従来通りのビジネスは停滞・縮小してしまう可能性があるのです。次の時代を見据えアフターコロナを迎えられたかどうかが、その後のビジネスに大きく影響してきます。

新商品・新サービスの拡大

 これまでのビジネスが停滞・縮小してしまう理由の一つに、すでに私たちの周りに登場してきているニューノーマルに合わせた新しいビジネスの存在があります。身近に浸透しているものとしてWeb会議のZoomや、フードデリバリーサービスのUber eatsなど、コロナ以前にはそれほど馴染みのなかったサービスが台頭してきています。このような新しい商品やサービスが定着することで、従来のものに求めることが変わっていくのです。
 例えばビジネスの世界では、先ほど挙げたZoomをはじめとしたWeb会議ツールによりオンライン会議やオンライン商談、オンラインセミナーの開催などデジタル上でのコミュニケーションが当たり前になりました。これにより移動時間を省くことができる、距離に関係なくコミュニケーションが取れる、効率化に繋がるなど、その利便性を感じた人も多くいるのではないでしょうか。このような経験が、アフターコロナになってもコロナ以前は対面が当たり前であった会議や商談などを「オンラインで良い」と移り変わらせる部分が出てきます。生活の中でも利用者が増えたECショップやUber eatsをはじめとする利便めとする利便性の高いサービスの活用は今後も続くだろうと言われています。
 また、既存の商品もコロナに合わせ少しずつ変化しています。外出時の必需品となったマスクはその変化の分かりやすい一例です。従来からある商品ですが、感染予防としての利用が続く中で予防できることは大前提として、より快適に、より楽しくするための日常アイテムとして進化を遂げています。夏場には清涼感にこだわったマスクや接触冷感素材のマスクが人気を呼び、常態化したことを受け肌荒れしないマスクやファッション性を高めたマスクなど需要の変化に合わせ続々とその種類を増やしていきました。他にもそんなマスクを収納するマスクケースなどをはじめ、身近な商品には「抗菌」を謳う商品が増加したり、口紅などはマスクにつかない性能を持った商品がヒットしたりと消費者が購入する際の条件が以前とは変化し定着しています。この変化を見誤り従来の在り方に戻してしまうことで売上が落ちてしまう可能性も考えられるのです。
 繰り返しになりますが、アフターコロナではすでに変化しているものやさらに変化するものを見極めることが重要になります。ではどんな変化が起きているのか。もう少しだけ今起きている変化をみていきながらアフターコロナについて考えていきたいと思います。

ニューノーマルで何が変わったのか

 ニューノーマルの時代になったと言われていますが、ニューノーマルとはリーマンショックなど大きな社会的な変化により、今までの常識が変化し新たな常識が定着する際に使用されてきた言葉です。今回は感染リスク低減のため三密(密集、密接、密閉)の回避をはじめ、非接触・非対面の推奨により従来の生活様式が大きく変化していきました。その中で特に加速したのが「デジタル化」です。
 これまで会社や学校など対面が当たり前だった交流の場が制限されたことで、オンライン会議やオンライン授業などオンライン上でのコミュニケーション環境の整備が進みました。その結果、昨年の緊急事態宣言下ではZoom飲み会が流行したり、リモートワークという新たな働き方も普及してきています。また日常生活においても密を避けるためECショップの利用が拡大したことで、生活必需品から嗜好品までほとんどの物がオンラインで簡単に手に入れることができるようになりました。

進むデジタル化とデジタル慣れ

 必要に迫られ、今まで利用頻度の少なかった年齢層、業界にもオンラインの活用が急速に拡がったことで消費者全体の意識が変わろうとしています。例えば、感染拡大初期の頃にはオンラインへの移行に対し不安が多く取り上げられていました。しかし、活用せざるを得ない環境がその利便性を気づかせ、今やオンラインが良い、充分であるといった思考へと変化させ、逆にリアルの場にはどんな価値があったのかという議論に変わるほどオンラインを活用した生活が定着しつつあります。
 さらに元々デジタルネイティブと呼ばれているデジタルに抵抗の少ないZ世代(1990年後半頃から2012年頃に生まれた世代)では、その活用がより進んでいると言えるでしょう。昨年、大ヒットしたNintendo Switchのソフト「あつまれどうぶつの森」というゲーム内で会社説明会を開催した企業が登場したという驚きのニュースがありました。元々SNSやゲームなどオンラインを通じたコミュニケーションが活発であった若年層ほど抵抗が少なく、バーチャルな空間もリアルと同じく仲間と大切な時間を過ごせる体験の場となってきているのです。

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