ウィズ/アフターコロナにおいて必要とされる製品作り

 

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 新型コロナウイルスの感染拡大により、命の危険が間近になったこと、自粛により行動を抑制されたことで、人々の価値観や行動が変化しています。今後は、社会も大きく変化し、ニューノーマル時代へと移っていきます。
 そんな時代を見据え、今回は、新型コロナウイルスと上手く共存し、経済を再成長させていくためのヒントとして、コロナとの共存のための「抗菌印刷」、経済活動を継続していくために、本質から考える環境保全「カーボンオフセット」についてご紹介します。

高まる抗菌需要

 新型コロナウイルスの感染予防として、抗菌関連製品の需要が非常に伸びました。身の回りには「除菌」「抗菌」「殺菌」をうたった製品が多く出てきています。また、公共機関や飲食店などに対し、消毒だけに留まらず、抗菌・抗ウイルスといった一定期間効果が持続する施工を行うサービスも始まっています。今や、感染予防に繋がる商品・サービスが生活の上で欠かせないものになってきています。
 ところで、「除菌」「殺菌」「抗菌」など、複数の表現がありますが、その違いはなんでしょうか。まずはじめに、どのような違いがあるのか簡単に解説をします。これらの言葉は、大きく分けて「菌を殺す」ものと「菌を殺さないが、増やさない」ものの2つに分けられます。

用語による違い

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 「殺菌」「消毒」「滅菌」は、菌を殺すグループに分けられます。「菌やウイルスを殺す」こと全般を殺菌と言い、これにはどの程度という明確な定義がありません。わずかでも菌が殺せれば「殺菌」と謳えます。医療の現場などに必要となる「有害・無害を問わず、すべての菌やウイルスを死滅・除去する」ものには「滅菌」という表現を使用します。菌を殺すという意味では、「消毒」がその効果として一番弱く、「付着している菌を害がない程度の量まで減らす」効果のあるものに使用されています。いずれも、医療品や医療部外品のみに使用できる表現として定められています。
 そして、「菌を殺さないが、増やさない」グループには、「抗菌」と「除菌」が属します。医療品以外にも使用でき、私たちの身の回りの生活雑貨の表示に一番よく使われています。「抗菌」は、一般的には、「菌やウイルスの増殖を抑える効果」のこと。「除菌」は、「物質・空間から菌やウイルスを減らす効果」のことで、その基準は製品それぞれの業界団体やメーカーが自主基準を設けています。

印刷でできる抗菌

 一般的なアルコール除菌などは、揮発した瞬間にその効力が消えてしまいます。除菌時に細菌やウイルスが仮に0になっても、数分後にまた細菌が付着し、その数を増やしていきます。菌は増えることによって人体に悪影響を及ぼしますので、これからは、除菌/殺菌で菌を除去すると同時に、抗菌処理による、菌を増殖させない環境作りも大切になってきます。
 消費者の手に触れる機会の多い印刷物へ抗菌処理を施す方法は、大きく2つあります。※いずれもPPシートとした場合

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 ①の練り込みタイプは、抗菌剤を素材自体に練り込んでおくものです。素材の内部まで抗菌仕様なので、例えば断裁した場合、その断裁面にも抗菌効果が生じます。
 ②の後加工タイプは、抗菌剤入りのニスで表面をコーティングする方法です。弊社の場合は、この方法で、銀イオンを配合した抗菌効果のあるニスを活用し、抗菌仕様に対応しています。インキの上からコーティングしますので、練り込みタイプに印刷したものと比較して、表面の抗菌効果が高く、コストを抑え、短納期で製造できます。
 また、より消費者に安心・安全に使用していただけるよう、抗菌製品技術協議会(SIAA)が制定した「抗菌」のシンボルマークを挿入していただくことも可能です。
 抗菌需要は今後も高まっていきます。しかし、抗菌はあくまで「菌の増殖を防ぐ効果」のあるものです。抗菌であっても、除菌するなど、常に清潔に保ちながらの利用も大切です。

 


抗菌商品についてはこちらからご参照ください。

 

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