アフターコロナに向けて動き出すビジネス

リアルはより貴重な場へと変化

 変化しているのはデジタルに対する意識だけではありません。身近な命の危機と自粛生活により、当たり前だと思っていた家族や友人と過ごす時間の大切さを改めて考えさせられると共に、リアルへの渇望が生まれていきました。お付き合いの飲み会がなくなったことへの嬉しさがあれば、逆に大切な人たちと過ごせる場がないことへは寂しさを感じたり、通勤時間削減により自分の時間が増えたことへの喜びがある一方ふとした偶然の出会いがないことに物足りなさを感じたり、家での新しい楽しみが増えた一方自由に旅に出たいという想いが強まったりと、リアルな場は以前よりも貴重な場として捉えられるようになってきています。
 今年の8月頃には、変異株による感染拡大をきっかけに「RTO問題」が注目を集めました。RTOとは”Return To Office”の略で、会社・オフィスへ戻る動きを指します。ワクチン接種が進んだことで、Googleや米アップルといったIT企業すらも今年の9月を目途にオフィス復帰を目指していました。再度の感染拡大を受け続々とオフィス勤務再開の期日を延期していますが、リモートワークが普及しワーケーションといった新たな働き方すら出てきていた中、なぜオフィスへと戻すのか、自由な働き方に価値を見出す人が増加したことで離職率が上がってしまうのではないかといった今後の働き方に関する議論が注目されていたのです。その中でオフィスという存在の価値として、より集中できる場であるといった意見や、出社により社員同士のコミュニケーションが活発化することで想像力が刺激され新たなアイデア創出の場、学びの場となるといったリアルだからこそ生み出される体験の価値が語られています。
 このようにリアルにはどんな価値があるのか、その見直し・再定義が多くの場面で進んできています。ただこれは、デジタル化が良い・リアルの方が良いというゼロかイチかの話ではなく、GAFAをはじめ多くの企業が今後いかにハイブリッドワークを実現していくかを模索しているように、顧客の価値観や状況の変化に応じた最良なものを生み出すための変革が行われようとしているのです。

顧客に寄り添ったビジネスの在り方が求められていく

 価値観や状況の変化が生じている今、より顧客の体験に寄り添ったビジネスの在り方が求められています。「コト消費」「トキ消費」「イミ消費」「エシカル消費」といった言葉が誕生していましたが、誰と・いつ・どんな場所で・どんな時を過ごせるのか、どう体験を共有できるのか、何に繋がっているのかなど、改めて自分が得られるものを基準にした消費が今後も進んでいきます。そんな顧客により良い体験を提供していくためには、いかに顧客と向き合っていけるかが重要になります。
 例えば海外では、コロナ打開策として開始されたプライベートショッピングが成功を納めています。これは予約日時に訪れると貸し切り状態で買い物が楽しめるサービスです。感染予防の徹底はもちろんですが、専属の店員が訪れる顧客一人ひとりにじっくりと向かい合い、その人だけに向けた提案を交えた接客を行うなど、リアルな場ならではでの体験を高め顧客満足度を上げることでその売上を伸ばしました。
 このような個に向けたサービスは多くの場面で拡がりを見せており、国内でも「安全」への需要の高まりとともに1日1組に限定した宿泊施設が注目されてます。多数の中の1人ではなく自分だけのサービスは+αの体験価値となり、しかもそれがその場でしか体験できないとなると次もまた利用したいという思いへと繋がっていきます。そしてそんな次への思いを持った顧客に対し、いかに継続的に良い体験を提供し関係を築いていけるかがアフターコロナのビジネスの一つのポイントになります。

アフターコロナにおけるビジネスの3つの変化

アフターコロナも顧客との繋がりが重要

 顧客との繋がりの重要性が語られるのは今に始まったことではありません。コロナ以前から、Z世代やミレニアル世代と言われる新たな世代が消費の中心となってくること、地球環境の問題が深刻化してきていること、作って終わり・売って終わりというビジネスに限界がきていることなどから、顧客理解やエンゲージメントをいかに高めるかが注目されていました。これは今後も変わりません。むしろ、前号まで取り上げてきたSDGsに対する意識の高まりや、コロナ禍で今までの当たり前を壊され安全や安心が求められる今、企業に向けられる目はさらに厳しくなってくると考えられます。加えて、国内外・業界内外問わず新たなビジネスが登場してくるとも言われている今、差を生み出していけるのは顧客とどのような関係を構築できるかだと言われています。
 コロナ禍でもすでに応援消費が注目されていました。自分にとって大切だからこそ「応援したい!」「少しでも力になりたい!」と、クラウドファンディングやテイクアウトなどによる消費行動に出ました。今後訪れると言われているリベンジ消費の際にも、そんな想いや関係構築ができている場所・物・サービスへの消費が真っ先に高まるのではないでしょうか。
 そして顧客に提供できる体験や関係構築を考える上で重要となるのが、自社の存在意義や役割・価値がどこにあるかを今一度考えることだと言われています。私たち大洞印刷も、常に「本当に大切なものは何だろう?」「私たちに何ができるだろう?」と問いかけ続けています。そして時代の転換期にある今、私たちも新たな挑戦に乗り出そうとしています。詳細はまた次号以降になる予定ではございますが、新たな時代も皆さまのパートナーとしてビジネスの成功をサポートできるようこれからも邁進してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。


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