まずはCXからご紹介していきます。
CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、直訳すると顧客体験という意味です。例えば、商品を購入する場合の顧客体験は以下のようなものが挙げられます。
1.テレビやSNSで商品を知る
2.商品に関する情報や口コミなどを調べる
3.店舗や商品サイトを訪れ、商品を探す
4.購入手続きを行う
5.実際に商品やサービスを使用する
6.購入後のアフターサポートを受ける
顧客体験とは、商品・サービスを知った時から購入後までの、企業と接する全ての顧客の体験を指します。そして、これらの接点において顧客が「価値があった」と感じ、満足することで、優れた顧客体験を提供できたと言えます。
顧客体験から得られる5種類の価値
顧客体験の概念を提唱したアメリカの経済学者、バーンド・H・シュミット氏は、著書の中で顧客体験を通して得られる感情的な価値を指す「経験価値」を以下の5つに分類しています。
Sense (感覚的価値)
顧客が視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感で感じることのできる価値のことを表します。おしゃれな内装で落ち着くBGMが流れており、美味しいスイーツを提供しているお店などが該当します。
Feel (情緒的価値)
顧客の感情に働きかけて生み出される価値を表します。例えば、カスタマーサービスや提供する商品に対する「優しい!」「かわいい!」「嬉しい!」「感動する!」などの感情を指します。
Think (創造的、知的価値)
顧客の「もっと知りたい!」や「使ってみたい!」などの興味や知的好奇心、冒険心などを刺激することで得ることのできる価値を表します。
Act (ライフスタイルや行動に影響する価値)
顧客の日々の生活スタイルや今まで経験してこなかった新しい体験を提供し、得られる価値を表します。新感覚のアトラクションや体験、習い事、美容用品などがこれに当てはまります。
Relate (社会的、交流的価値)
顧客の特定の集団に所属しているという意識に働きかけ、得られる価値を表します。SNSでの他人との交流やファンクラブなど、その顧客のみが経験することのできる特別な体験をすることで得られる価値を指します。
単純に「売っておしまい。」や「作っておしまい。」ではなく、顧客が体験の中で得る、これらの経験的価値を向上することで、競合他社との差別化そして顧客満足度アップに繋がる重要なポイントになります。