超高齢化社会とは
年齢別で人口を区分するとき、0歳~14歳を「年少人口」、15歳~64歳を「生産年齢人口」、65歳以上を「高齢人口」と呼びます。「超高齢社会」とは、総人口に対して、高齢人口の割合が21%を超えた社会のことを指します。
日本における高齢化の現状
日本では、医療の発達や生活の変化による寿命の延伸や少子化の進行によって、高齢化と人口減少の問題が年々深刻化しています。 日本における高齢化率は、1970年に7.1%となり「高齢化社会」に突入、1994年には14%を超え「高齢社会」へ。そして2010年には23%となり「超高齢社会」を迎えました。その後も総人口が減少する一方で高齢化率は上昇し続け、2022年には29%に達しました。これは、ほかのどの先進国よりも高水準であり、日本は “世界で最も高齢化が進んでいる国’’ であると言えます。また、2050年代には総人口が1億人を下回ると言われており、出生数の減少による深刻な少子化も高齢化をより加速させています。
超高齢化のピーク “ 2040年問題”
このまま高齢化が進行すると、2025年問題、2030年問題、2035年問題と段階を追って様々な問題が引き起こされ、いずれ「2040年問題」に直面すると言われています。2040年は高齢人口がピークを迎えると推測される年で、社会保障制度や政策の根本的な見直しが求められます。
2025年問題
1947年から1949年に生まれた “団塊の世代’’が全員75歳以上の後期高齢者となり、全人口の約17.8%に達する問題です。 医療費や介護費などの社会保障費に関する若い世代の負担増加による経済活動の縮小や、介護サービスの需要増加による約32万人の介護人材不足といった影響が懸念されています。
2030年・35年問題
2030年は生産年齢人口が60%を下回り、労働力が約644万人不足すると推測されています。 特に医療・介護業界をはじめ、建設や観光、航空、IT業界にお いて深刻な人材不足が見込まれています。また2035年にぱ団塊の世代’’が全員85歳以上となり、さらなる医療・介護の需要増加により、社会保障の持続が困難になると考えられています。
2040年問題
1971年~74年生まれの “団塊ジュニア世代’’が全員65歳以上となる2040年前後は、高齢者人口の割合がピークに達し、人口のおよそ35%が65歳以上の高齢者になると見込まれています。 その後、高齢者人口は減少へ向かうものの総人口も減少し続けるため、引き続き高齢化率の増加は見込まれます。 医療・介護の需要がより一層増加し、社会全体の仕組みの見直しを図る必要が出てきます。
少子化と超高齢化によって引き起こされる影響とは?
急速な人口減少と超高齢化は、国内市場の縮小や労働力不足など、様々な問題へと連鎖し、それらの問題は結果的に国民一人一人の豊かさの低下へと繋がっていきます。
労働人口の滅少
超高齢化が進む一方で、少子化に伴い労働人口は右のグラフのように著しく減少すると推測されています。2040年には労働人口が5,978万人となり、約1,100万人の労働人口不足に直面することに加えて、優秀な人材が海外労働市場に流出してしまうことも懸念されています。人手不足によって生産活動が制限されることは、経済活動の鈍化、成長力の低下にも繋がります。
働き手と支えられる人のアンバランス
高齢者を支える労働人口の減少が続くと、労働人口1人当たりの負担が大きくなります。2060年には高齢者1人に対して生産年齢人口約1人で支えることになり、社会保障の持続が困難になるほか、労働者の負担が増えることで経済におけるイノベーションが起きにくくなると言われています。また、人手不足を補うために長時間労働が強いられることでワーク・ライフ・バランスが改善されず、さらに少子化が進行していくことも懸念されています。
成長力の低下から、さらなる負のスパイラルヘ
労働人口の減少による生産力の低下や消費者の減少による国内市場の縮小は、イノベーションの不発や投資先としての魅力の低下をもたらし、その結果、国の経済成長力が落ち込みます。このように、人口減少や超高齢化が経済にマイナスの影響を与え、国民一人一人の豊かさが低下することで、さらなる人口減少、市場の縮小へと連鎖していく負のスパイラルに陥る恐れがあります。
企業が超高齢社会を生き抜くために
超高齢社会で企業が生き抜いていくためには、サービスの価値向上によってビジネスを成長させていくこと、DX化などで業務を省力化・効率化して限られた労働力の中でサービスの品質を維持・向上していくこと、働き方改革の推進によってユーザーだけでなく働き手からも選ばれる企業となることが必要不可欠です。特にサービスの価値向上においては、近年、既存のサービスや商品に新しい価値をコネクトしたビジネスが注目されています。ここでは、2つの事例をご紹介します。
1 進化型アリーナ
近年、傾斜のある客席に囲まれた形状の 「アリーナ型」の体育館を、スポーツの試合の開催だけでなく、イベントの開催や地域の拠点として活用する動きが全国各地で起こっています。トークやライブなどのイベントを開催したり、カフェスペースやランニングコースを設置して地域住民の日常的な利用を促したり、災害時の避難拠点として活用したりと、新たな活用法が見出されることで価値が高まり、地域の課題解決や新たな市場の開拓に繋がっています。
2 コネクテッドカー
情報通信技術を利用して車外のあらゆるシステムや機器と接続する「コネクテッドカー」。車両情報分析機能により事故の可能性が低減されたり、事故発生時の自動通報機能で安全性が向上したりするだけでなく、車外から駐車ができるリモート操作機能、車内での動画の視聴やパソコン作業などが可能になる車内Wi-Fi機能、スマートウォッチで受信したメッセージに返信できる機能など、様々な機能をコネクトすることで、自動車の利用をより快適に、楽しくする可能性が広がっています。
大洞印刷の取り組み
大洞印刷では、 超高齢社会においてもお客様のビジネスの成長に貢献するため、少子化、人口減少に対応できるDX化などで業務の省力化・効率化を図り、様々なビジネスとコネクトし、新たな価値や体験を創出する革新的なプラットフォーム「MAGIC」を提供しています。
商品やサービスの価値向上で “選ばれる企業” に
大洞印刷はIPSP(イノベーティブ・プリント・サービス・プラットフォーマー)として、印刷の枠組みを超えた新たな価値を提供していくことを目指しています。その柱となるのが「MAGIC」。お客様が提供している様々なサービスに大洞印刷のプリントテクノロジーを繋げることで、受発注業務の手間・コスト・在庫問題などの課題解決を行い、新しい体験を生み出すプラットフォームです。
大洞印刷のプラットフォーム「MAGIC」
MAGICでは、お客様が持つ膨大なユーザー情報や商品情報と連携することで、高付加価値のサービスや商品を生み出すことができます。例えば、ゲームのプレイ状況と連動してユーザーごとに異なる‘‘宝の地図’’を送付したり、ユーザーがお気に入りの写真だけをセレクトする“世界に一つだけ”の写真集や、色や形をユーザーが自由にカスタマイズできるオリジナルグッズの製作サービスを実現したりと、オンラインとリアルを繋ぐ新たな体験を創出することができます。
様々なビジネスに コネクト可能な「MAGIC」
MAGICは、顧客情報や受注情報を管理するデータベー ス機能、背景や色、柄といった素材から何万パターンもの印刷用データを自動生成する技術、デザインごとに異なる数量でも一度にまとめて製造できる仕組みなど、複数の機能をお客様の用途に応じて組み合わせて活用していただけます。 様々な業種のビジネスとコネクト可能なMAGICは、効率的かつ効果的にお客様のビジネスを成長させることができるのです。進行する超高齢社会においても、MAGICはお客様が‘‘選ばれる企業” であり続けるための新しい価値を生み出します。