
加速・強化する国内のGXの動き
環境問題が深刻化する中、環境負荷を抑えつつ経済成長を目指す「GX(グリーントランスフォーメーション)」の重要性が高まっています。国内では、2015年に締結されたパリ協定を受け、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、GX実行会議の開催やGXリーグの設立、GX推進法など取り組みを進めてきました。さらに2025年2月には「GX2040ビジョン」が閣議決定され、カーボンニュートラルと経済成長の両立に向けた具体策が示されています。
製造業にも広がる脱炭素の取り組み
”GX時代”を迎え、CO2排出量の多い製造業においても、脱炭素化への取り組みが必須となっています。製造業がGXを推進するメリットとしては、エネルギー使用量の削減によるコスト低減や、生産工程の効率化に加え、企業イメージの向上や政府の支援制度を活用できることなどが挙げられます。かつては社会貢献の一環として取り組む企業が中心でしたが、近年では温室効果ガスの削減が取引条件となっていたり、取引先から具体的な削減目標の設定と実行を求められるケースも増えており、対応できない場合はビジネス継続にリスクが生じる可能性も生じます。
一方で、昨今はものづくりの価値観が「大量生産」から「最小限の資源で必要なものだけをつくる」方向へとシフトしており、そのための技術発展が、結果として脱炭素の実現に寄与するという流れも生まれています。GXの捉え方が、単なる喋境負荷の低減という枠組みを超え、ものづくりのあり方そのものの革新へと広がっているのです。
このようにGXへの取り組みが普及する中、現在は製造業が活用できる手段も多様化しており、自社に適した効果的なアプローチを選択することが重要になっています。
製造業の多様なGXの取り組み
テクノロジーを活用した製造業のGXの取り組み事例
実際の工場設備や生産ラインの状況からデータを収集し、仮想(バーチャル)空間に全く同じ喋境を双子のようにリアルタイムで再現する仕組み。設備の稼働状況やエネルギー消費の可視化、シミュレーションによる効率改善、故障予測や最適な生産計画の策定などが可能になり、製造業の生産性向上や省エネ、脱炭素化につながります。
日立ソリューションズ
グローバルSCMシミュレーションサービス
原料調達から出荷までの企業活動に伴って発生する製品・部品単位のCO2排出量のシミュレーションを実行できる機能を実装。企業の脱炭素戦略の策定に役立ちます。
1本の編み糸から無縫製でニットを丸ごと編み上げる、島精機製作所の独自技術「ホールガーメント」。縫い目がないため着心地が良く、立体感のあるデザインが実現しやすくなるとともに、裁断で生じる端切れなどが出ないため資源ロスの削減にもつながっています。
大洞印刷のGXの取り組み
大洞印刷では、PX·GX·CXを3つの柱として掲げ、事業を推進しています。GXの実現に向けては、必要なものを必要な分だけ製造する 「最適生産」を重視し、在庫・ロスの削減につなげています。具体的には、デジタル印刷によって小ロット多品種の製造や受注生産に対応することで、お客様のニーズに細かに応えながら、大量生産・大量消費からの脱却を図っています。そのほかにも、環境配慮型クリアファイルなど地球環境に優しい素材の活用や、100%再生可能エネルギー由来の電力の活用、本社工場での自家消費型ソーラーパネルの設置、社用車のEV化など、幅広い取り組みを実践しています。さらに科学的根拠に基づいた温室効果ガスの削減目標である「SBT (Science Based Targets) 認定」を取得し、温室効果ガスの削減に向けた取り組みを進めています。







