SDGs(エスディージーズ)とは?
SDGsは、2015年9月に国連サミットで採択された、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のために2030年までに達成すべき17の国際目標のこと。子どもたちの未来を守り、この先も平和で豊かな暮らしができるよう設定された国際目標です。正式名称は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」。その頭文字とGoalsの”s”を取ってSDGs(エスディージーズ)と呼びます。そしてその中身は、17のゴール・169のターゲットから構成されています。
SDGsが生まれた背景
今、私たちが生きる世界はテクノロジーが発達し、生活はどんどん便利になっています。しかし、その一方で、貧困問題を抱えていたり、環境破壊や資源不足、労働問題、ジェンダー問題などさまざまな課題があふれています。
例えば食糧難。本来であれば、全世界の人々が問題なく食べていけるだけの食糧が世界には存在しています。しかし、それを当たり前に手に入れることができない人たちがいるのです。また、人口増の問題。2019年に国連経済社会局人口部が発表した『世界人口推計2019年版』によると、世界人口は2019年6月発表時点で77億人。2050年には97億人、そして2100年にピークとなり、約110億人に達するという予測が出されています(※表1 参照)。
では、それだけの人々が、今の先進国と同様に電気やガスなどのエネルギーを消費する日々を送ったらどうなるでしょうか?資源の不足はもちろん、環境破壊が進行していく可能性も生じます。実際に、地球温暖化はCO2排出量が要因の一つと考えられており、このまま何も手を打たないままであれば、人口のピークを迎える2100年には、気温が最大で4.8℃上昇するという予測も出ています。このような地球温暖化は、気候変動はもちろん、異常気象による弊害を生み出します。私たちも、毎年のようにニュースで自然災害による被害を直接体験しています。これがさらに進んだらどうなってしまうでしょうか?
このまま何もせず、自分たちだけの豊かさを追求していけば、貧富の差が広がったり、労働環境が劣悪になってしまったり、果てはこの地球が壊れてしまうことでしょう。つまり、これから生まれてくる子どもたちの未来が危うくなってしまうのです。どれだけ良いものを製造したとしても、未来がなければ続いていきません。
このような問題にストップをかけるため、SDGsが誕生したのです。また、SDGsが目指すのは、より豊かで誰もが平等な持続可能な世界です。そのために17の目標は環境だけでなく、貧困や教育、健康、まちづくりなど包括的なものとなっています。この実現には、政府や企業だけではなく、一人一人が、当たり前のことを当たり前にするために動いていく必要があります。