ごみへの認識を変え、グリーンを尊重する時代へ

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 昨年はコロナ禍で広がった経済格差問題や、ジェンダー問題、ウイグル問題などさまざまな話題がありました。また、「デジタル」が進んだ年であることは皆さん実感もあるところではないでしょうか。2020年初め、菅義偉首相(当時)は次の成長の原動力は『グリーン』と『デジタル』と発言し、昨年9月には「デジタル庁」が発足されました。多様な事柄の解決にはテクノロジーが欠かせない時代がきており、テクノロジーでよりよい社会の実現に向けて、国だけでなく企業、そして個人までもが動き始めています。
 また、「デジタル」ともう一つのキーワードとなった「グリーン」。地球温暖化などにより地球環境が変化してしまい、人々の暮らしに深刻な影響を及ぼしていることを指す、気候変動問題。洪水等の気象災害は、人命に関わる影響に加え、食料生産などにも影響を与えています。前号まではデジタルの部分にフォーカスを当ててきましたが、今回は改めてこの環境に関わる話題を深掘りし、デジタルとの融合までお話しさせていただきます。

顧客中心主義と人間中心主義

 前号(Winformation vol.51)でも触れましたように、今後のビジネスには顧客中心が重要とされています。ただ、近年「顧客中心主義の弊害」も指摘されるようになりました。「顧客を中心に考えていくと、キリがなくなってくる」とアマゾンのジェフ・ベゾス氏が指摘していますが、顧客中心主義の追求がやめられなくなっているのも現状です。その弊害が、現在の気候変動問題であったり、格差拡大といった社会問題に繋がっているのではないかと考えもでてきています。
 その反省から議論されるようになったのが、「人間中心主義」なのかもしれません。この主義は顧客のみならず、従業員、取引先、地域社会といった関わるすべての人たちを大切にするという考え方です。人間中心主義は顧客中心主義を踏まえ、進展させたものだということです。

人間中心主義にプラスして地球を守る

 顧客中心主義を含む人間中心主義を背景にした利便性の追求が、気候変動問題という形で地球環境レベルでの弊害をもたらしていることは火を見るよりも明らかです。その中で、「人と地球環境が共に持続可能な未来を想像する」ということがとても重要になってきます。

食品ロス

 さて、私たちは顧客の「欲しい」に応えるために大量生産することで低コストを実現したり、需要が読み切れないまま多種多様な商品を生み出してきました。しかしその結果、廃棄物が増え、資源を枯渇させることに繋がってしまっています。それは「衣服ロス」や「食品ロス」など、在庫がないと販売しにくい商品への影響が強いのではないでしょうか?
 特に〇〇ロスで近年一番注目を集めているのが「食品ロス」です。食品ロスは各事業所や家庭での廃棄の積み重ねによって、社会全体で環境負荷や資源の無駄使いなどの問題を招きます。
 今回は、お菓子のパッケージ印刷などで関わる機会も多い「食品ロス」にフォーカスを当ててお話しできればと思います。

食品ロスとは?  食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。日本では、年間2,531万トン(※)の食品廃棄物等が出されています。このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は600万トン(※)。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2019年で年間約420万トン)の1.4倍に相当します。また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると”お茶碗約1杯分(約130g)の食べもの”が毎日捨てられていることになるのです。「もったいない」と思いませんか?大切な資源の有効活用や環境負荷への配慮から、食品ロスを減らすことが必要です。
※農林水産省及び環境省「平成30年度推計」
(引用:消費者庁 食品ロスについて知る・学ぶ https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/

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ゼロ・ウェイストを実現する5R

「5R(ファイブアール)」とは、ごみを減らすための、Rで始まる5つの行動のことです。「3R(スリーアール)」であるReduce・Reuse・Recycleは有名です。そこに4つ目のR、Refuseを加えた「4R(フォーアール)」は近年よく見るようになりました。そして、5つ目のRは、使われるところにより、RepairやReturn、Reformなど様々な言葉で表現される場合があります。ここではRotを加えたものを5Rとしてご紹介いたします。

Reduce:ごみを減らす

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モノを大切に使う。可能な限りごみを出さない生活へ。

Reuse:繰り返し使う

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繰り返し使用する。修理して使う、人に譲る。リユースできるものを使う。

Recycle:資源として再利用する

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リサイクルできるものは分別。リサイクル品を買って循環の輪を繋ぐ。

Refuse:ごみの発生を回避する

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ごみになり得るモノを持ち込まない。不要なものを買わない、断る。

Rot:土に還す

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繰り返し使用する。修理して使う、人に譲る。リユースできるものを使う。

Rot(ロット):土に還す

 ゼロ・ウェイストにとても重要な5つのキーワードの内、あまり耳馴染みのないRotにフォーカスを当ててご紹介いたします。
 Rotとは簡単にいうとコンポストのことです。日本には「もったいない」という言葉があるように、かつては人と自然が共生する循環型の生活を送っていました。稲作が発達した日本では、生ごみや糞尿などを自作で肥料(たいひ)にして、田畑へ散布していました。しかし、都市化が進み、人口が増えて化学肥料や農薬を使った効率性を重視した農業が普及すると、ごみは多様化し、まとめて焼却処理されるようになりました。一方、市町村でコンポスト事業が始まり、ここ20年ほどは循環型社会への取り組みとして再注目され、各地に広がっています。
 家庭ごみの1/3は生ごみだといわれています。生ごみの処理を工夫することで、単なるごみとするのではなく、土に還すことを意識していくことが重要といえます。取り組みの例を挙げるならば、家庭用コンポストの瓶を作る、堆肥を使い、環境に優しい畑や庭を作る、などが始めやすいところです。
(参考:LFCコンポスト https://lfc-compost.jp/about

「意識すること」から始めるゼロ・ウェイスト運動

 ごみを“生み出さない”社会を実現するためには消費者、事業者、行政の連携が大切です。
 消費者はごみにならないように商品を買うことを意識したり、ごみの出ない工夫を生産者に問うてみたりすることで、ごみを生み出さないように考えて行動することが重要です。そして私たち事業者は再利用、リサイクルできる商品や自然界で分解できる素材を生産・開発することを意識していくことから始め、一歩ずつ確実に踏み出していかなければなりません。資源が循環するシステムをつくるなどもとても有意であると思います。循環システムを構築するには、行政による法整備や今のゴミ処理方法からの脱却なども必要ですが、まずは意識し取り組みを始めることが重要かつ必須の時代が来ています。

 


 

 生きていく上で、避けては通れないモノは数え切れないほどあります。それをいかにごみとしないか、ごみとなり得るものを作らないか、私たち製造者には求められてきます。大洞印刷では今後もテクノロジーを活用し、このような環境問題の解決へも真剣に取り組んでいきたいと考えています。
 大洞印刷ができるロス削減への取り組みについてTechnologyで紹介します!

 

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