2023年注目のキーワード - サーキュラーエコノミーとは –

 

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 2022年、かつて未知の脅威であった新型コロナウイルスと共存する術を見つけました。しかし、世界各地で起こる国家間の対立や、資源価格の高騰などの新たな難問が私たちの前に立ちはだかった年でもありました。そして2023年、これまでのWinformationでもお伝えしてきた環境問題やSDGsの普及、Z世代の社会進出、新しいテクノロジーの発展そして物価高やエネルギー高などがさらに一歩進み、新しい時代が始まろうとしています。
 そのような中、昨年8月「令和5年度環境省重点施策」において「環境省は、炭素中立(カーボンニュートラル)、循環経済(サーキュラーエコノミー)、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時達成に向けた取組を加速化することで持続可能性を巡る社会課題の解決と経済成長を同時実現し、「新しい資本主義」に貢献する。」と公表しました。
 今回のSpecial Topicでは、新しい時代に適応するために欠かせないキーワード「サーキュラーエコノミー」について解説していきます。

サーキュラーエコノミーとは?

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 サーキュラーエコノミーは、「令和5年度環境省重点施策」にもあるように日本語に訳すと「循環経済」を表します。リサイクルや再利用を前提としてサービスや商品を企画し、いままで廃棄していたモノを含めた地球にある資源を循環させることで、ムダなものを減らし、新たな価値を生む新しい経済モデルです。
 以前のWinformationでもご説明したように、従来までの大量生産・大量消費・大量廃棄を表す「リニアエコノミー」(線型経済)を続けることで、地球1つの力で資源の採掘や廃棄の処理能力、それに伴い発生する地球を取り巻く環境問題は防ぎきれなくなると考えられています。そのため、サーキュラーエコノミーへ移行、推奨する動きが世界中で進められているのです。

サーキュラーエコノミーの3原則

 2010年に設立された国際的なサーキュラーエコノミー推進団体エレン・マッカーサー財団は、以下の内容を「サーキュラーエコノミーの3原則」として挙げています。

1.Design out waste and pollution (廃棄物や汚染を出さないデザイン(設計)を行う)
2.Keep products and materials in use  (製品・原料を使い続ける )
3.Regulate natural systems  (自然のシステムを再生する)

(引用:Ellen MacArthur Foundation WHAT IS THE CIRCULAR ECONOMY?)
https://archive.ellenmacarthurfoundation.org/circular-economy/what-is-the-circular-economy

3Rとサーキュラーエコノミーの違い

「3R(スリーアール)」であるReduce・Reuse・Recycleは、廃棄物の発生をできるだけ減らしたり、再生したりしますが、それらを使用したあとは廃棄物となってしまいます。反対にサーキュラーエコノミーは、前述したように設計の段階から廃棄物や汚染を出さないようにする経済モデルのため、3Rを含んださらに先の取り組みを指します。

 

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