「推し活」文化の広がりと高度化する推し活グッズ市場

 

「推し活」文化の広がりと高度化する推し活グッズ市場

 

推し活とは?
特定のキャラクターやアイドル、アーティスト、タレントなどの「推し」(熱狂的に好きな人物やモノ、コト)を応援するために行う自主的な活動全般を指します。単なる趣味を超え、人生の生きがいとなる側面もあり、個人の幸福感や自己肯定感の向上にも繋がります。

Z世代には当たり前?「推し活文化」の広がり

近年、急速に社会に浸透している「推し活」。Z世代(1990年代後半~2010年代初頭生まれ)の約3人に1人が推し活をしているという調査結果もあり、特に若者の間では当たり前の文化となっています。推し活の対象となるジャンルや活動内容は多岐に渡り、それに伴い、経済効果も増加しています。実際、推し活関連市場は2021年度には約7,000億円でしたが、2024年度には1兆円を超えると予測され、市場規模は年々拡大しています。

推し活が生まれた背景と広がりの要因

「推し活」という言葉が広まったのは2010年代ですが、そのルーツは昭和時代にまで遡ります。1970~1980年代のアイドルプームでは親衛隊に代表される熱狂的に応援する文化が生まれ、1980年代後半にはアニメやゲームの愛好者を中心に「オタク」文化が誕生。
1990~2000年代には第2次アニメブームが到来して視聴層が広がるとともに、インターネットの普及でファン同士の交流が活発化。こうして「推し活」の基盤が整う中、2010年代に女性アイドルグループが流行すると、大勢のメンバーの中から特に好きなメンバーを「推し」と呼ぶ文化が生まれ、さらにファン参加型のコンテンツの登場で「推す」ことへの当事者意識が芽生えました。かつて「オタク」にはネガティプなイメージがありましたが、「推し活」は応援することをポジティブな行為として捉え、アイドル以外のジャンルにも広がります。
さらに、SNSの普及で誰でも気軽に「推し」について発信でき、ファン同士が繋がりやすくなったことや、コロナ禍でオンラインコンテンツが急増し、気軽に推し活に参加できるようになったこと、「モノ」を消費する時代から体験に価値を置く「コト」重視の時代に変わったことなども「推し活」が一般化した要因として考えられます。

様々なジャンルに拡大する「推し活」

現在、「推し活」の対象となるジャンルは、非常に幅広くなっています。 最も市場規模が大きいものは 「アニメ」で、2023年度は約3,450億円となっています。市場規模が大きい理由として、作品数が多いことはもちろん、原作の漫画が購入されたり、ゲームや映画が制作されたり、モデルとなったスポットを巡る 「聖地巡礼」が起こったりと、様々な形態に消費が拡大しやすいことが挙げられます。次いで「アイドル」は、2023年度に市場規模が約1,900億円となっています。イベントに何度も足を運ぶなど熱置の高いファンたちが業界を支え、イベント開催時には、会場周辺の宿泊施設や飲食店を多くのファンが利用するという波及効果もみられます。そのほか、鉄道や建築、刀剣、仏像など、人物やキャラクター以外のカテゴリーや、2.5次元ミュージカル、eスポーツ、ボーカロイド、VTuberなど、新たに生まれるエンタメジャンルも推し活の対象となり、市場を拡大しています。

 

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多様化が加速する推し活グッズ

時代とともに進化する推し活グッズの楽しみ方

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個人の推し活グッズ作りを支援するサービスも登場

富士フイルム×セブンイレブン推し文字プリント
手作りの応援うちわやボード、アルバムの制作にぴったりな文字デザインが印刷できるサービス。
好きなメッセージとカラーを選び、コンビニでマルチコピー機にQRコードをかざすか、予約番号を入力するだけでプリントが可能で、初めての人でも簡単に推し活グッズが制作できます。
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推し活グッズの進化と楽しみ方の広がり

推し活文化の広がりとともに、関連グッズの市場も急速に拡大しています。ある調査では、推し活をしている人の約7割がグッズの購入経験があるというデータも見られ、推し活にはグッズが欠かせないものとなっています。グッズ展開や楽しみ方の変遷に着目すると、1990年代頃はポスターやブロマイドといった比較的シンプルなアイテムが中心で商品ラインナップも限られていたため、ファンが既存の公式グッズをアレンジして楽しむ “手作り全盛期”となり、熱心なファンが手間をかけて制作していました。その後、2000年代に入ると、高品質な公式グッズが次々と登場。インターネットの普及で購入も容易にできるようになり、“クオリティの高いグッズを持っていること”自体がステータスとされ、イベントなどでグッズを身につけてアピールするファンも現れます。さらに、近年は「推し活」がより一般化し、SNSなどのオンライン上でファン同士の交流も活発になる中で、購入したグッズをファン同士で見せ合うなど、楽しみ方も多様化しています。

印刷技術の発展に支えられるグッズの高品質化・多様化

近年のグッズの高品質化や多様化の背景には、デジタル印刷技術の進化が挙げられます。印刷精度の向上により、特典ブックレットやトレ ーディングカードといったビジュアル重視のグッズが増加。また、アクリル、布、金属など様々な素材への印刷も可能となり、アクリルスタンドや缶バッジといった定番品から、アパレル、インテリア用品まで多様な商品が登場しています。加えて、小ロット・多品種での印刷が容易となり、グッズ関連企業が幅広いパターン展開やファンのニッチな需要に 応えるグッズを提供しやすくなりました。さらに、推し活市場が成熟する中、ファンのニーズはより多様かつ高度になり、パーソナルな「自分だけのグッズ」を迅速に届けることが求められています。今後、ファンの “好き”を柔軟にカタチにできる企業が、推し活市場で成功を収める存在となるでしょう。

推し活グッズ制作のポイント

「推し」のファン層に的確にアプローチできる、推し活グッズ。ここでは、エンタメビジネスを展開する企業が推し活グッズを制作する上で押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

 

1.世界観・コンセプトが表現されている
「推し」の世界観やコンセプトを落とし込んだグッズや、愛用品を再現したアイテムは、推しへの理解度が高いと捉えられ、ファンの心をくすぐります。
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2.デザイン性や品質が高い
デザイン性が高く、品質が優れたグッズは、日常生活でも活用できるため人気です。特にファン層に若い女性が多い場合は、トレンドを押さえることも重要です。
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3.SNSで発信したくなる
SNSでシェアして「推し」の魅力が伝えられることも推し活グッズの役割。例えばアレンジ可能なグッズは、ファンの個性を表現できるため投稿したくなります。
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4.限定グッズで特別感
数量限定や、特定のイベントでしか入手できない“限定感”のあるグッズは、ファンにとって非常に魅力的です。希少性が高まることで商品価値も上がり、購買意欲を刺激します。
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大洞印刷と連携した推し活グッズの制作

大洞印刷では、高性能なデジタル印刷技術や長年にわたる推し活グッズ制作の実績を活かし、ファンのニーズやトレンドを踏まえた多彩な推し活グッズの制作をサポートします。

 

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多様で品質の高いアイテムが求められる推し活グッズ市場

若い世代を中心に広がった推し活文化は、今や幅広い世代に浸透し、その経済効果の大きさから様々なビジネスで取り入れられています。 推し活に欠かせないグッズの市場も盛り上がりを見せており、文化の成熟とともに、求められるクオリティは一層高まっています。こうした中で、イベントなど限られた期間で多品種のグッズを展開したり、ファンの名前や会員番号が印字された「自分だけのグッズ」を制作したりと、推し活グッズの制作にもさらなる工夫が求められています。

大洞印刷の技術と知見でファンに響く推し活グッズを

大洞印刷は、高度な印刷技術と様々なシステムを活用して、推し活グッズ制作における幅広いニーズに応えることができます。例えば、多様な特殊素材への印刷が可能で、仕上がりも高品質であるため、「推し」の世界観を忠実に、美しく再現することができます。パーソナライズ商品も、大洞印刷とのシステム連携や自動データ生成サービスを活用していただくことで、従来のように個別のデザインデータを作成する手間がかかりません。
また、イベントなどで期間限定・多品種のデザイン展開のグッズが必要な場合も、バリアブル印刷によって本当に必要な分だけ製造・販売が可能となるため、在庫リスクを抑えることができます。
さらに、お客様のECサイトとシステム連携することで、データの受け渡しをせずとも大洞印刷が受注から納品までワンストップで進行することも可能です。

大洞印刷では、「PX (Printing Transformation)」を掲げ、従来の印刷の枠組みに捉われない新たな印刷の価値や可能性を追求しています。推し活グッズの制作においても、お客様のパートナーとして、時代のニーズに柔軟に応えるサービスを提供しています。

 

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