新時代の情報戦に立ち向かう – Z世代に狙いを定めよ –

 

winfor55_parts_p3top

 ここ数十年間で、情報化が急速に発展しました。インターネットの普及により、必要な時に必要な情報を入手できる環境が整い、今では、スマートフォンは生活する上で必需品となっています。そして、情報を得る手段もテレビや雑誌、新聞などから得ていた時代からスマートフォン1つで情報を得る時代へと突入しました。
 そのような中で、世代によってもスマートフォンの活用方法やスマートフォンで得る情報は異なっています。たとえば、シニア世代では、スマートフォンの利用時間の多くをニュース関連サービスに費やしていると言われています。反対に、今話題の「Z世代」では、エンターテイメントやSNSに多くの時間を費やすのです。
 Z世代は、今までの世代と考え方や行動が大きく異なると考えられており、2020年代に多くのZ世代が社会に進出し、消費の中心となっていきます。
 今回のSpecial Topicでは、Z世代についてを深掘りし、世代と共に変化するこれからの時代に立ち向かうために今どのような対策が必要なのか。それに対して、大洞印刷ではどのように協力できるのかをご紹介していきます。

Z世代とは?

 いつの時代にも「〇〇世代」という世代の区切りに合わせてその時代に生まれた人を表す言葉が存在します。近年、「Z世代」という単語を聞く機会が増えたと実感する方も多いのではないでしょうか?
 これらの世代の区切り方は、明確には定義されていません。世界的な経営学者のフィリップ・コトラー氏は『コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略』の中で、1965年~1980年を「X世代」、1981年~1996年を「Y世代」、1997年~2009年を「Z世代」と定めています。そのため、2022年現在、13〜25歳くらいまでの若者がZ世代に該当するとされています。
 Y世代とZ世代の時代背景を比較すると、Y世代は、パソコンのOSであるWindows95が登場しました。この背景により、インターネットから自由自在に情報を得たり、発信することが可能となり、このタイミングで「mixi」や「GREE」そして「2ちゃんねる」などのサービスが普及し、多くのIT企業が急成長しました。Z世代は、デジタルネイティブとも言われているように、インターネットの発展とともに成長してきました。常にさまざまなデジタルデバイスでオンラインと繋がっており、事実上オンラインとオフラインの境目が存在していません。そして、Z世代初期の年代でさえ10代のうちに「Twitter」や「Instagram」などのSNSが普及しています。そのため、情報発信はもちろん、知り合いだけでなく「リアルの世界で会ったことのない世界中の人」とのコミュニケーションを行うことに慣れ親しんでいるのです。

 

winfor54_parts_p3_02

 

なぜ注目されているのか?

 昨今、メディアで多く取り扱われているZ世代ですが、なぜこんなにも注目されているのか。いくつか理由はありますが、大きく分けて以下の2つが大きく関係しています。

今後の社会・経済・消費の中心となる世代
 先述したように、多くのZ世代は2020年代に大学を卒業し、社会の一員として活躍していきます。右の人口ピラミッドからもわかるように、日本の場合は、シニア層がZ世代よりも多い結果です。しかし、世界では、ほかの世代よりもZ世代の人口が多いため、消費・経済に与える影響の規模は大きくなると予測されています。アメリカでは、人口の約5分の1(約6500万人)がZ世代の層となっており、Z世代へ向けたマーケティングを本格的に導入しています。アメリカに比べると、日本ではまだそこまで注力されていませんが、日本でもZ世代が中心となる時代はすぐそこにあるため、今動き始めることが重要です。
winfor54_parts_p4_01
 
今までの層とは異なるアプローチが必要

 Z世代は、インターネットがない時代を経験していない世代になります。そのため、それまでの世代が「新しい」や「便利だ」と感じるサービスや商品は、Z世代にとって「あることが当たり前」で「ないと不便」という考え方に変化しているのです。たとえば、キャッシュレス決済機能や自由に使用ができる公共のWi-Fiがなどが該当します。後に詳しくご紹介していきますが、Z世代は、サービスや商品に対して、無意識のうちに「自分の生活や価値観に合っているか」を判断して、合っているものにしか興味を持たないという傾向があります。このように、従来のマーケティング手法では、Z世代に響きにくくなっているため別のアプローチ方法を生み出し、実践することが必要です。また、このZ世代へ向けたアプローチ方法は、親世代にあたるX世代そしてZ世代の次の世代である「α世代」へも効果があるとされています。親世代にあたるX世代は、時代背景や価値観などは違えど、子どもであるZ世代から大きな影響を受け、以前と比べてZ世代に寄った価値観に変化しています。また、次の世代であるα世代は、Z世代よりもさらに上をいく「デジタルネイティブ」となっていくのです。そのため、今、方向転換をすることが大切だと考えられています。
 さらに、誰もがSNSを自由に使用できる「ソーシャルネイティブ」であるため、誰でもインフルエンサーになるきっかけを持っています。近年耳にすることが多くなった「バズる」という言葉ですが、「バズる」とは、SNSに投稿した内容がコメントで話題になることを指します。特別な誰かがバズれるわけではなく、SNSで発信しているすべての人が拡散の対象となり、世界中で話題になれるのです。そして、Z世代は誰かと分かち合うことに喜びや嬉しさを感じるため、どのようなビジネスにおいても、注目されている存在となっています。
 このような理由からZ世代は、今注目の的となっています。

 Z世代の特徴や消費行動は?

 では、ここから特徴・消費行動・情報収集や学び・価値観に分け、Z世代について詳しくご紹介していきます。

特徴

 先に述べたように、Z世代が物心ついたときには、すでにインターネットやデジタルデバイスは普遍的に使用されてきました。また、フィーチャーフォンを持ったことのない世代にあたり、スマートフォン1つでネットサーフィンはもちろん、読書・音楽視聴・映画鑑賞を筆頭に就職活動そして買い物など何でもこなします。そして、SNSも普及した時代に生まれ、SNSでの失敗例をたくさん見てきたことから、プライバシー保護やセキュリティー対策を重要視しています。これらの理由から、「デジタルネイティブ」や「スマホネイティブ」、「SNSネイティブ(ソーシャルネイティブ)」などさまざまな呼び名で表現されているのです。Y世代も同様の呼ばれ方をしますが、Z世代は、何の抵抗もなく、自然に染み付いているという点で最もこれらの呼び名に近い世代だと考えられています。

消費行動

 Z世代より少し前の世代では、商品を購入する際にコストパフォーマンスを重視してきました。そして、この考え方はZ世代にも言えることだと考えられています。異なる点としては、Z世代は「モノ」や「コト」を購入する際に、レビューを参考にしてから商品を選ぶ傾向にあります。その時に使用する媒体も新聞や雑誌、テレビそしてラジオなどのマスメディアをあまり使用・活用しない世代にあたるため、YouTubeなどの動画やWebサイトのレビューを中心に商品を比較・検討するのです。その後、オフラインの店舗があれば実際に来店し、実物を確認した上でまたオンラインに戻り、そこで購入をするケースも多々あります。これらの背景から電車の中吊り広告や屋外の広告などの量が減り、ターゲットを明確にした質のよい広告へと変化してきました。そして、リサーチを含めた商品選定までの時間が、費用にあっているのか(タイムパフォーマンス)を重視するようになっています。
 そして、次に重視しているのが「ブランドにどれだけ共感できるか」です。以前の世代と比べて、Z世代は、ハイブランドや有名ブランドを所有するというステータスを手に入れたい気持ちが薄れつつあります。そのブランド・商品・サービスのコンセプトや開発の背景を公開していることが大前提としてあり、さらにその考え方が、どれだけ自分の価値観にあっているものかを見極めてから「モノ」や「コト」の購入へと進む傾向にあります。また、YouTubeやTikTok、InstagramなどのSNSにて、自分と似ている価値観をシェアしているインフルエンサーがオススメする「モノ」や「コト」を支持することも多くなりました。
 Z世代の時代背景を見ると、東日本大震災や今もなお続いている新型コロナウイルス感染症など、不安や不況な社会情勢を経験しています。そして親世代にあたるX世代は、バブル景気後に訪れた平成時代の大不況を経験していることにより、経済面は保守的な傾向があるとされています。このことから「若者のクルマ離れ」や「若者のお酒離れ」が近年よく飛び交うようになりました。しかし、お金をまったく使わないわけではなく、自分が好きなものにはとことんこだわり、お金を使うことに抵抗はないとされています。なかでも「モノ」よりも「貴重な体験」いわゆる「コト」に対して多く消費する割合が高いです。株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する「SHIBUYA109 lab.」が15歳から24歳のZ世代525名を対象に行った「Z世代のヲタ活に関する意識調査」によると、「Z世代の82.1%がヲタ活中」であることがわかり、「日常生活と切り分けているのはたったの1割」という結果であったと発表しました。

winfor54_parts_p5_02

出典:SHIBUYA109lab. 「Z世代のヲタ活に関する意識調査」
https://shibuya109lab.jp/article/220712.html

情報収集や学び

 前述したように、Z世代は「テレビ離れ」をしており、情報収集もSNSから行うことが主流になっています。また、検索方法も一昔前までは「ググる」という言葉があったようにGoogleやYahooなどの検索エンジンを使用して、自分が欲しい情報を能動的に得ていました。しかし、今では、「ゆちゅぶる」という言葉が誕生しているように、YouTube・Instagram・Twitter・TikTokなどそれぞれのSNSを駆使し、情報を受動的に得ているのです。
 そして、以下の表からもわかるように、Z世代はSNSを使い分けており、YouTubeなどの動画配信サービスやTwitterでは、学び・情報収集を行います。また、Instagramは、特別な瞬間を記録し、友人と共有することで、お互いの近況を確認できます。TikTokでは、暇つぶしに流し見をしながら一動画たった数十秒という短い時間でトレンドを得ているのです。

winfor54_parts_p5_01

出典:SHIBUYA109lab. 「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」
https://shibuya109lab.jp/article/220118.html

価値観

 「特徴」でもご紹介したように幼少期からSNSやインターネットを使いこなしてきたZ世代は、日常的に世界中の膨大な情報にアクセスができるため、触れ合う価値観の幅も以前の世代に比べて広がっています。Z世代は、人種・性別・障害の有無など関係なく「すべての人が平等だ。」という社会が当たり前と感じていることから、個性や自分らしさを大切にし、主張したい欲求を持つ世代なのです。
 合わせて、SNSへ費やす時間が多いことから、今まで触れられてこなかった環境問題や人種差別などの社会問題に対して強い関心があります。スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんは、2020年1月のダボス会議にて地球温暖化対策についての演説を行い、Z世代からの支持を集めたことが時代を象徴しているでしょう。バブル崩壊後に生まれたZ世代は、将来を楽観視せず、とても現実的です。社会問題に対しても他人事と考えず、自身の問題と考え、できることから行動に移せる世代だと言われています。

成功した企業は?

 ここまでZ世代の特徴・消費行動・情報収集や学び・価値観をご紹介しましたが、今までの世代とは異なる点を一目瞭然でご理解いただけたかと思います。では、どのようにZ世代を取り込めばいいのか、Z世代に対して一足先にアプローチをし、成功した例をいくつかご紹介していきます。

NIKE
winfor54_parts_p6_01
 こちらの画像に見覚えはありますでしょうか?NFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズのクォーターバックとして活躍した、コリン・キャパニック氏です。キャパニック氏は、2016年に有色人種差別への抗議として、試合前の国歌斉唱時に片膝をつき、事実上リーグから追放されました。そして、その2年後の2018年にNIKEはキャパニック氏をキャンペーンの顔として起用しました。その広告には、モノクロの写真を使用し、「Believe in something. Even if it means sacrificing everything.(何かを信じよう。たとえすべてを犠牲にすることになったとしても)」と記載しました。これにより、メディアで炎上が起き、批判の嵐でした。しかし、その後の決算によるとNIKEのブランドの価値は、跳ね上がったようです。この背景にいたのがZ世代です。NIKEは当時、消費の中心にいたX世代やY世代に向けて発信したのではなく、未来の顧客(Z世代)に向け発信しました。この出来事が起こる前からNIKEは、社会問題に対して明確な立ち位置を保ってきた背景があるため、Z世代から大きく支持されました。NIKEは炎上覚悟でこのような広告を配信し、ブランドのコンセプトを守り続けているのです。

 

NOIN
winfor54_parts_p6_02
 主に20代のZ世代から支持がある化粧品に特化したECプラットフォーム「NOIN」。「本当にほしい化粧品が見つかって、それが当たり前に買える世界をつくる」というミッションのもと創業されました。運営するノイン株式会社は、Instagramをはじめ、スマートフォンアプリやECサイトを運営しています。ECサイトのローンチからまだ3年程度しか経っていないにもかかわらず、アプリは270万DLを超え、Instagram「NOIN.tv」も24.3万フォロワーを持つ今注目されているメディアの1つです。多くのユーザーは、「NOIN.tv」からの流入が多く、取り扱う17,000以上のコスメの中から、厳選した最新の情報を発信することがZ世代に刺さったと言われています。NOINでしか買えない商品やブランドまでをも展開しており、「ポイント還元」や「送料無料」はもちろん、「友達のようなコミュニケーション」と「Eカウンセリング」を積極的に行っているようです。 

 たとえば、NOINのスタッフが、LINEやSNSからの問い合わせに対して、テンプレートを使わずにユーザーに寄り添ったスタイルで相談に乗る取り組みを行っています。ほかにも、SDGsのイベントを行ったり、Z世代の悩みを解決すべく「誰でもどこにいても購入できる」というアイデアから大手コンビニエンスストアのファミリーマートとタッグを組み、「sopo」というブランドを立ち上げました。sopoでは、「#コンビニコスメなのにめっちゃいい」のハッシュタグを使用したりなど、時代に合わせた戦略を駆使しています。 これだけではなく、商品の配送時にも配慮しており、ECサイトで購入されたすべての商品に「大切に届けてください」と手書きのメッセージをつけています。
 ただの「便利なECサイト」ではなく、中にいる人を連想させるようなデジタルでもありながらアナログな手法を組み入れたことにより、Z世代に「信用ができるブランド・サイト」だと感じてもらい、多くのZ世代から支持を集めています。

Z世代に「刺さる」販促活動は?

 ここまででご紹介したように、従来のマス向けの手法では、今後あまり効果が感じられなくなっていきます。そのため、残り少ない2022年、少しでも早く対策をはじめ、行動に移すことが重要です。ここからは、Z世代に「刺さる」ポイントを考えていきます。

1. 目的に合わせたSNSの活用

 Z世代の象徴ともされているSNS。Z世代が、1日の間で触れる時間が多い場所へ露出を増やす必要があります。学び用としてなのか、トレンドの発信なのかなど「情報収集や学び」でご紹介したようにプラットフォームを分け、ピンポイントなターゲットに配信・投稿していくことでより効果が感じられるでしょう。また、経済面において保守的な考えを持つZ世代へ向け、コンテンツは、コスト・タイムパフォーマンスがいかによいかを明確にし、さまざまなページを見なくても商品・サービスの詳細がわかるようにしておくのもポイントになります。そして、著名人を活用し、宣伝してもらう際には、Z世代から支持があるインフルエンサーを起用することが重要になります。

2. ブランドの立ち位置を明確にする

 Winformation Vol.53の「コロナ禍でも負けない企業の在り方」でも触れたように、「なぜ我々の企業(サービス)が存在すべきなのか?使命は?」と根本の部分から考え、コンセプトや背景をしっかり表現していく必要があります。そして、商品やサービスがいくらよくても、企業として社員の労働環境や自然環境、社会問題などへの配慮ができていなければZ世代との絆は薄れてしまいます。Z世代は、ポジティブな面だけではなく、ネガティブな面も含めブランドのリアルな姿を求めているのです。オープンなブランドに対してはじめて「このブランドに共感できるのか。」を見極めます。そして、その後は長期的な顧客の獲得に繋がっていくでしょう。

3. パーソナライズ化された情報・商品の提供

 Z世代は、「自分らしさ」を尊重しています。合わせて、自分の好きなものへの出費は惜しまない特徴があるとご紹介いたしました。今後は、この特徴に合わせ情報・商品を提供していく必要があります。
 また、Z世代はこれより前の世代よりも「ターゲティング」に対して抵抗がありません。なぜなら、彼らがSNSを活用しはじめたころからこの機能がすでに存在していたため、パーソナライズされているサービスや情報でないと、逆に違和感を覚えてしまうのです。Z世代に「刺さる」ためには、「この商品なら自分らしさを出せる!」という気持ちにさせる商品・情報・サービスであることが、今や必要不可欠なのです。

 

 

winfor54_parts_p7_01

 

Z世代に「刺さる」大洞印刷の取り組みは?

 これからの消費の中心となる「Z世代」。大洞印刷でもこの時代の流れに後れを取らないよう、SNSの運用や環境への配慮などさまざまな取り組みを行っています。そして、弊社と関わるすべてのお客さまと一緒に成長するために、時代のニーズに合わせた商品やサービスもご提供しています。たとえば、「消費行動」にもあるように、デジタル印刷を活用することで多様性や個性を出すことができる「パーソナライズ商品」の製造。ほかにも、Z世代の「社会・環境に少しでも貢献したい」という価値観に合わせ、多種多様な素材を使用した商品をご用意しています。また、商品だけでなく、必要な時に必要な分だけ製造をし、ムダな印刷物は作らないなど、本質をついた取り組みを行っております。そして、これらの需要に合わせたミニウェビナーも開催しており、オンデマンド配信で公開していますので、どなたでもどこにいても視聴可能です。
 みなさまのビジネスやサービスに大洞印刷の強みを取り入れていただき、共にサスティナブルな社会を築いていきたいと考えております。

 


Z世代についてのオンデマンド配信「消費の最前線「Z世代」 Z世代へ響くプロモーションとは」を当サイトのイベントページにてご用意しております。
このオンデマンド配信では、今回ご紹介していない内容を加えた約30分の動画になっております。
ぜひ、ご活用くださいませ。

 

オンデマンド配信
消費の最前線「Z世代」 Z世代へ響くプロモーションとは

 

PAGE TOP