取り組むメリット
前述したように脱炭素経営に取り組む企業は増え続けています。脱炭素経営に移行したくても、資金面や経営方針、取り扱っているサービスによっては、すぐに脱炭素経営への移行は難しい企業もあるのではないでしょうか。しかし、将来的に見ると脱炭素経営に取り組んでいない企業は、後れをとってしまい、ビジネスを続けにくい環境が待っているのは確かです。そのため、導入しやすいように補助金や優遇税制などの制度も用意されています。ここでは、脱炭素経営に取り組む代表的なメリットをご紹介していきます。
メリット1 事業コストの削減
まず、脱炭素経営を行うために必要になるのが、二酸化炭素の使用量の削減です。そのために、設備や技術、サービスなどを見直し、効率的なエネルギー利用に移行する必要があります。エネルギーや作業の無駄を減らすことで、光熱費・人件費などの削減にも繋がります。
メリット2 補助金・支援が受けられる
昨今、脱炭素経営に取り組む企業が増えてきたことにより、金融機関において、地球温暖化対策への取り組みを融資先の選定基準に加味するという動きも出てきています。また、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)を重視した経営を行っている企業に投資をする「ESG投資」の規模が拡大している背景もあり、脱炭素経営の取り組みを開示することで優位性を獲得できるのです。
ほかにも、環境省は、「2030年までは勝負の10年」と考えており、脱炭素経営に取り組む企業に向けた補助金制度なども年々増加しています。たとえば、脱炭素型のリサイクル設備や再生可能資源由来素材の製造設備などの導入支援を行う「プラスチック資源・金属資源等の脱炭素型有効活用設備等 導入促進事業」や、工場・事業場における脱炭素化の取り組みを支援する「脱炭素経営によるサプライチェーン全体での脱炭素化の潮流に着実に対応するための工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業 (SHIFT事業)」などがあります。
メリット3 会社の評価が上がる
脱炭素経営に取り組むことにより、知名度や認知度が向上し、会社の評価が上がります。環境に配慮した取り組みを行っている姿勢や二酸化炭素の排出量を削減している姿勢が伝わることで、新しい顧客層の取り込みが可能になったり、既存顧客からの信頼度もいっそう高まります。これは、環境問題に対しての注目度が世界全体から上がっているからこそと言えることでしょう。しかし、脱炭素化への取り組みが疎かになったり、取り組み内容の開示が手薄になったりすると顧客からの信頼度も低下する可能性があるため、注意が必要です。
メリット4 社員のモチベーションや意識が向上
このように世界が注目している社会問題に積極的に取り組みを行うことにより、社員は「会社とともに社会貢献をしている」という意識から会社へ誇りをもち、社員のモチベーション向上が期待できます。社員一人ひとりの向上心が芽生え、取り組みに対し積極的になる社風が生まれることでしょう。また、環境問題や社会問題に取り組んでいる企業に対し、就職活動を行うスタイル「エシカル就職」という言葉もあるように、世界の課題を会社全体で取り組んでいる姿勢を見せることで、「一緒に目標を目指したい!」という意欲をもった人材を集められるとも考えられています。
今回ご紹介した代表的な4 点は、ごく一部のメリットです。このように脱炭素経営の取り組みを始めることにより、デメリットをこえるメリットが多く存在するため手遅れになる前に今、行動に移すことが重要です。
取り組み事例
実際に脱炭素経営に取り組んでいる企業を3例ご紹介いたします。
株式会社二川工業製作所
建設機械の製造を行っている株式会社二川工業製作所は、2050年までに事業全体でカーボンニュートラルの達成を目指している企業です。2020年に中小企業版RE100である「再工ネ100 宣言REAction」に参加し、同年に自社で使用する電力のすべてを国内39か所で所有している太陽光発電で賄うことに成功しました。ほかにも、風力発電所を所有していたり、ため池に太陽光パネルを浮かべて発電させる「水上太陽光発電事業」に参入したりなどさまざまな取り組みを行っています。現在では活動範囲を大きく広げ、再生可能エネルギー由来の電気を100%使用したホテルをオープンしたり、使用しなくなった家具・家電などを買取り、新たなお客さまへ流通させる「リュース事業」なども開始しています。
イオン株式会社
大手流通グループ「イオングループ」を統括する純粋持株会社のイオン株式会社では、2018年に「脱炭素ビジョン2050」を発表しました。これは、脱炭素社会に貢献するため、2040年までに店舗から排出されるCO2を総量でゼロにするという目標です。グループ全体での電力消費量は、日本の総使用量の約1%であるため、省エネヘ積極的に取り組んできました。ほかにも、海外の店舗を含めた太陽光発電の導入はもちろん、「再エネの地産地消」にも取り組んでおり、2019年時点で累計1040店舗(7.4kWh)の太陽光発電の導入に成功しています。また、自社だけでなく顧客も脱炭素社会に貢献できるように脱炭素住宅の開発やリフォームの提供なども行っていま す。
Apple
iPhone などのデジタル家庭電化製品、ソフトウェア、オンラインサービスを開発・販売しているAppleは、2020年に企業運営においてカーボンニュートラルを達成しました。そして、「事業全体、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルのすべてを通じて、2030年までに気候への影響をネットゼロにすることを目指します。」と表明しました。目標達成に向けた取り組み内容として、再生エネルギー発電の保有をはじめ、再生された素材を使用し製品を製造し、製造時を含めたデバイスそのものが消費するエネルギーの排出量削減やエネルギー効率の向上、森林や生態系保護による二酸化炭素除去への取り組みなど、幅広く対応を行っています。自社だけでなく、サプラ イヤーを巻き込むことで、大きなCO2削減を生み出している代表的な例とも言えるでしょう。
取り組み方法
ここまでで脱炭素経営についてご紹介してきました。ここからは一般的な導入の流れをご紹介していきます。
1.自社の状況把握

2.脱炭素経営に移行するための計画立案
「1.自社の状況把握」でサプライチェーン排出量を把握できたら、いつまでに、どのくらい、どのように排出量を削減していくのか計画を立てて行きます。計画を立てる際には、「省エネ」と「再生可能エネルギーの活用」をメインに考えていきます。取り組みやすい「省エネ」だけに頼ってしまうと大幅なニ酸化炭素の排出量削減には繋がりにくくなってしまうので注意しましょう。その後、実際にかかる投資費用、想定する光熱費などのランニングコストを考慮し、計画に落とし込んでから実際にアクションヘ移して行きます。
3.時代の動きに合わせたPDCAサイクルの確立


大洞印刷の取り組み
ここまででご紹介したように、温室効果ガスの増加により引き起こされるさまざまな悪影響を阻止するため、世界全体で対策の強化が予測されています。大洞印刷でも、2028年までに全工場において再生エネルギーの導入や発電、社用車の電動化などの取り組みを行いカーボンニュートラルを実現させてまいります。現在大洞印刷では、前述した国際イニシアティブ「SBT」の認証取得へ動きはじめるなど、自社での取り組みはもちろん、みなさまにカーボンニュートラルを実現していただける商品も取り扱っております。例えば、廃棄される予定であった竹の間伐材を使用した「竹紙」やサトウキビの絞りカスから作られたパルプを使用した「バガス」など。ほかにも、石灰石を使用することにより、石油由来プラスチックと比較して、燃焼時のCO2排出量を削減できる「LIMEX」などをご案内することにより、弊社と関わりのあるみなさまと協力し、一丸となって目標達成ができるよう前進してまいります。
大洞印刷では、「取り扱う商品一つからでもカーボンニュートラルや環境問題対策に貫献することはできないか?」というご要望に応えたファイルを多数ご用意しております。詳しくはこちらよりご確認いただけます。
※これより先は弊社が運営するクリアファイルのボラネットに移動します。









