ジェネレーティブAIとは?

 

画像生成AIとは?

 ここまでジェネレーティブAIについてご紹介してきましたが、ここからは印刷業界と一番関係がある「画像生成AI」について深掘りしていきたいと思います。
 前述したように、画像生成AIは、テキストで指示を出すことにより、オリジナルの画像を生成することができるAIです。2022年6月にリリースされたテキストの説明文からリアルな画像を生成する「Midjourney」により注目されはじめたと言われています。
 画像生成AIは、大量のデータを学ぶことにより似たような画像を生成することを可能にしています。工程としては、学習フェーズと生成フェーズに分けられます。学習フェーズでは、テキストと画像を組み合わせて学ばせます。たとえば、「犬」というテキストと、犬の画像を何百万通り組み合わせて生成します。これにより、AIは「犬」というものを理解します。そして、生成フェーズでは、欲しい画像のテキストを入力することで、AIは学習したものを組み合わせて画像を生成します。たとえば、「人と散歩している犬」というテキストを入力することで、「人」に関する画像と、「犬」に関係する画像を組み合わせるという仕組みになります。このディープラーニングと呼ばれる仕組みにより、高度な画像生成を可能にしているのです。
 ここで、AIを活用して画像をいくつか生成してみます。今回使用したのが無料で画像生成ができる「Stable Diffusion Online」。テキストにて生成したい画像を指示するだけで、たった数十秒で学習した20億枚の画像とキーワードをマッチさせて画像を生成してくれます。

画像①「飼い主と散歩している犬」

specialtopoc_vol59_11(出典元:Stable Diffusion Online)
https://stablediffusionweb.com/

 犬のリードが途中で切れていたり人間の顔がおかしかったりと改良が必要ですね・・

画像② 「印刷会社で働く人」

specialtopoc_vol59_12

(出典元:Stable Diffusion Online)
https://stablediffusionweb.com/

 続いて、印刷会社で働く人です。やはり顔が苦手なようです。右から2番目の画像については、印刷機というよりは、ミシンを感じるような画像でした。

画像③「大洞印刷株式会社」

specialtopoc_vol59_13

(出典元:Stable Diffusion Online)
https://stablediffusionweb.com/

 最後に大洞印刷を生成してもらいました。英語の表記が惜しい!もう少し技術が向上してから改めて試してみるのも面白いかもしれませんね。

画像生成AIの活用事例

 実際にどのように活用されているのかご紹介していきます。

WEBサイト作成

 画像生成AIを活用することにより、アイコンやヘッダー画像はもちろん、レイアウトも提案してくれるでしょう。最近では、ロゴ作成などもAIを活用して作成しているケースが増えてきています。

インテリアやファッションデザイン

 インテリアやファッション業界でも活用されています。たとえば、部屋の写真をアップロードするだけで家具を配置してくれたり、服のデザイン、スタイルを生成しデザイナーの手助けをしてくれます。技術が進むことにより、モデルルームやファッションモデルの確保も必要なくなっていくのかもしれません。

ゲームの開発

 ゲーム業界では、キャラクターや敵、背景を生成することで、新たなゲームコンテンツの制作が効率化されます。現在の技術では、キャラクターの表情やデザインを作成できるので、デザイナーの助けになっているようです。

芸術的な表現

 AIは芸術家やクリエイターのアシスタントとして活用されます。新しい絵画スタイルの創出や、写真をアート作品に変換する手段として利用されます。

医療診断の向上

 医療分野では、AIが医用画像を生成することで、疾患の早期発見や診断の支援に貢献しています。

 

 印刷会社で活用すると、充実したサンプルのご提供や、イベントやプロモーション向けのチラシやバナーなどを迅速に生成してくれることでしょう。このような分野で画像生成AIが活用されることにより、クリエイティブなプロジェクトや医療診断の精度向上など、さらに幅広い領域での効果的な活用が期待されています。

著作権問題

 「ジェネレーティブAIのメリットとデメリット」の「権利問題」でご紹介したように、画像だけでなく、コンテンツを生成する上で切っても切り離せないのが著作権問題です。著作権問題により、画像生成プラットフォームがリリース後1日でサービスを停止した例もあります。

 まず、著作権について改めて以下の画像にてご説明いたします。

specialtopoc_vol59_14

 (画像引用:AIと著作権|文化庁著作権課)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf

 

 では、AIを利用して画像などのコンテンツを生成した場合、著作権は発生するのでしょうか?現在の法律では、「AIが描いたイラストには著作権は発生しない」こととなります。上図からおわかりいただけるように「著作物」の定義が「思想又感情を創造的に表現したもの」だとされています。そのため、思想または感情のないAIが作成したコンテンツは、上記に該当しません。そのため、著作権は発生しないのです。ただ、人間が関与した場合には話は変わってきます。

 通常AIによって生成されたコンテンツに著作権はないものの、稀に著作権が発生する場合があります。たとえば、人間がコンテンツを作成する上で、AIを活用しアイデアを得て修正を加えた場合や、自動補正ツールなどを使用する場合。コンテンツを生成する上で、構図やイラストなどのオリジナル性を事細かにAIに指示を出した場合も「思想又は感情を創造的に表現したもの」に該当する可能性があります。逆にいうと、著作権取得するために特別な手段は必要ないため、AIを活用して作成したコンテンツを自分が「思想又感情を創造的に表現したもの」として主張した場合、これを判断する方法がないため、通用してしまうのです。ほかには、AIはまだ勉強途中ということで、既存の著作物やロゴ、トレードマークなどの著作権を侵害してしまう可能性はゼロではありません。また、AIが学習したデータが著作権で保護されている場合、それを基に生成された画像も著作権侵害になる可能性があるのです。
 これらの基準はまだ曖昧なところが多く、気づかないうちに著作権が発生してしまっている場合もあるので注意が必要です。一番簡単な部分でいうと、AIコンテンツ生成プラットフォームを使用する際には、利用規約をしっかり確認することが大切です。規約内にデータ利用や著作権に関する内容が記載されている可能性があります。再度になりますが、勉強途中のAIであるということは忘れず、法整備がいき通るまでは、アイデアをもらう程度にとどめておいたほうが安全でしょう。

ジェネレーティブAIの今後

 ジェネレーティブAI、画像生成AIについてをご紹介してきましたが、これらの成長スピードはとてつもなく早いことは多くの方が実感していることでしょう。「AIの実用化には、あと10年かかる」という仮説は大きく覆ると考えられています。また、これまではAIの対応範囲は単純作業が主で、創造的なアートの生成、コンサルティングやアドバイスなどは苦手とされてきました。しかし、Chat GPTを試していただくとわかるようにこちらも覆されています。
 ベンチャーキャピタル(VC)であるセコイア・キャピタルは、2022年9月にレポート「Generative AI: A Creative New World」にて、以下の表を公開しました。この表は、文章・コード・画像・動画/3D/ゲームのコンテンツがどう今後成長しているか予測しています。

specialtopoc_vol59_15(画像引用:Generative AI: A Creative New World|SEQUOIA)
https://www.sequoiacap.com/article/generative-ai-a-creative-new-world/

 

 この表からわかることとしては、文章生成でいうと、2025年には、人間の平均よりも優れた文章の生成が可能になり、2030年には、プロのライターになると予測されています。また、画像生成では、2025年には、プロダクトデザイン(Webサイトや商品のデザイン)までをも対応できるだろうとし、2030年には、プロのアーティスト、デザイナーより優れたコンテンツの生成が可能と予測しています。WEBサイトや商品のイメージを伝えるだけで思った通りのコンテンツが手に入る時代が数年後には訪れるというのです。私たちが夢を見ていた世界がすぐそこまできています。  現時点では、法整備が整っていなかったり、無料で触れるサービスが増えてきたとはいえ、用途が限られていたりなどまだ浸透しきっていないのが本音でしょう。また、今後成長が進み、既存のサービスやシステムと連携することで、パーソナライズされたAIが増え、より普及していくと考えられています。いままで「AIに奪われるであろう職業」「AIに奪われないであろう職業」が語られてきましたが、「AIに奪われないであろう職業」であるクリエイティブな職業でさえ、AIに進出されかねない部分であるのが現状です。ここで今一度、本当に人間にしかできないことは何なのかを考える必要があります。そして、奪われたときに人間にしかできない部分を深め、共存していくことが大切です。
  大洞印刷でも、引き続き私たちにしかできないことは何なのか、お客様のビジネスの成長をサポートするために何ができるのかを突き詰め、時代を先行した価値のある商品・サービスをご提供してまいります。

 

 

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