課題
偏った情報・信頼性の問題
Chat GPTは、偏った情報を生成してしまう可能性があります。学習に使用したデータに偏りがあった場合に、この問題が発生してしまうのです。ある特定の人種、性別、文化に対する差別的な態度や暴力的な言葉などを生成してしまう場合も考えられるため、倫理的問題も懸念されています。学習データに誤りがあった場合にも同様で、誤った情報を生成したり、反対に不正な情報を提供するなど悪用することも現状可能とされています。 また、Chat GPTのデータは、2021年9月までの情報しか持っておらず、それ以降の情報については更新されていない可能性があります。そのため、全てを鵜呑みにはできないといえるでしょう。
(出展:Chat GPT) https://chat.openai.com/chat
Chat GPTの学習データは、日本語に比べて英語での情報が非常に多いため、英語で使用したほうが「AIの頭がよくなる」といわれています。そのため、英語の方が精度の高い文章が生成されると考えられています。
プライバシー問題
Chat GPTは、ユーザーとの会話も含めた大量のテキストデータを学習します。そのため、プライバシー問題が発生するのです。機密情報や個人情報がないのであれば問題ありませんが、仮にこれらを入力してしまった場合に、個人情報が漏洩するリスクもないとは言い切れないでしょう。
このようにとても便利で、活用していくことで可能性が広がる機能ですが、勉強途中のAIであるということは忘れてはいけません。
Chat GPTの活用例
では、Chat GPTを応用することによりビジネスシーンでどのようなことが可能になるのでしょうか。いくつか例をあげていきたいと思います。
▶︎チャットボット
チャットボットとして応用することによって、カスタマーサポートなどの業務負荷を軽減できるでしょう。24時間、365日対応可能なため、お客さまを待たせることなく返答が可能になります。商品の詳細や価格、配送についてなど、お客さまの必要な情報を瞬時に提供することができるので、顧客の満足度の向上が期待できます。また、商品に対しての不安や疑問に対してもアドバイスすることができるので、販売促進の役割も果たす可能性もあるのです。
▶︎コンテンツ作成
Chat GPTは、テキストの生成が可能なため、メールの作成やPR文、記事作成を量を問わずに素早く生成することができます。仮にその文章が意図していない内容であがってきた場合でも、その点を指摘することで修正し、再度文字生成をしてくれます。Chat GPTは、アイデアのブレストや施策の案出しも得意としているため、0から1を作る作業の手伝いも可能です。
▶︎情報収集
市場調査や業界トレンド、競合調査などの業務を自動化することも可能です。情報収集には大量の情報が必要となるため、時間を要します。この部分を自動化することで、このような手間を省くことができるでしょう。
これらは、Chat GPTができることのほんの一部です。ほかにもミーティングの議事録作成や概要のまとめをはじめ、プログラミングへの活用などChat GPTの活用方法は無限と言っても過言ではないでしょう。
3月には、LINEやSlackでChat GPTを使用したサービスの展開がスタートしたり、MicrosoftやGoogleでも各社製品にGPT-4を組み込んだサービスを展開していく動きも出始めています。このようにAPIが利用可能になったことで今後ほかにもさまざまなサービスが増えていくと考えられています。
Chat GPTの今後
前述したようにまだ学習途中のChat GPT。引き続き学習を続けることにより、より高度な自然言語処理ができるようになり、さらに複雑な対話システムが開発されていくでしょう。そして、現在活用されているビジネス、教育分野以外でも幅広く使用されることが予測されています。AIと人間が連携することで、文章の生成をしてくれるだけではなく、人間の負担軽減や言語圏を超えた円滑なコミュニケーションなど、多くの可能性が生まれます。AIによる自動化や高速化のメリットを活用しながら、人間にしかできない部分を果たすことで、私たちの生活はより豊かになっていくことでしょう。そのために、「課題」でもご紹介したように倫理的な問題やプライバシー問題などを解決することが求められているのです。
Chat GPTに聞いてみた今後の印刷物の価値
では、このように賢い自然言語処理技術を応用したチャットボットエンジン「Chat GPT」に印刷物の未来像について聞いてみました。
(出展:Chat GPT) https://chat.openai.com/chat
この内容を見ると、市場の様子と比較して間違ったことを言ってはいないといえるでしょう。たしかに、近年のデジタル技術の急成長をはじめ、新型コロナウイルス感染症の影響や人口減少、さらにはSDGsが浸透したことにより、印刷需要は減少傾向にあります。そのため、時代の変化に合わせながら対応していくことが必要になります。
大洞印刷の取り組み
大洞印刷では、Chat GPTが回答してくれた取り組みを既にスタートしています。ここからはその取り組みをご紹介させていただきます。
1. デジタルとの融合
大洞印刷では、デジタル技術を活用することによりお客様がビジネスを成長していくためのお手伝いをさせていただいています。
たとえば、本誌Technologyでもご紹介するような何千・何万種類から、パーソナライズされたデザイン作成を半自動で生成する仕組みのご提供や、皆さまがお持ちの通販サイトやサービスと大洞印刷のシステムを連携させ、ユーザーの行動を起点としたパーソナライズ印刷物の製造から個別配送サービスなどをご提供させていただいています。
2. 環境配慮
これまでWinformationにてご紹介してきましたように、大洞印刷では物事の表面ではなく本質を考え、SDGsや環境配慮の取り組みを行なっています。
たとえば、ゴミを減らすのではなく、そもそも無駄なものを作らないという考えのもと、デジタル印刷等を活用し、必要な時に、必要なモノを、必要な分だけ提供しています。また、プラスチックを紙におきかえるといった一時的な取り組みではなく、持続可能な体制を作るため、本来ゴミとして捨てられる部分を利用した素材「バガス」「竹紙」などを利用した商品をご提供しています。
3. コンテンツの質
「1.デジタルとの融合」でもご紹介いたしましたが、ユーザーの行動を起点としたパーソナライズ印刷物の製造から個別配送までご対応しています。これにより、ユーザーのニーズはもちろん、行動を起点に行うことで、鮮度も保った質の高いコンテンツの提供が可能です。
4. オンデマンド印刷
HP Indigoを活用し、紙製品はもちろん、プラスチック素材への印刷など「大洞印刷にしかできない」コトを追求しています。また、印刷だけでなく、加工やアセンブリ、出荷などの工程も、パーソナライズのような複雑な注文にも対応可能です。
5. クラウド印刷
大洞印刷が運営している印刷通販「クリアファイルのボラネット」では、専門的なデザインソフトはなくとも、スマホやPCにある写真をアップロードして、簡単にデザインを作成できるツール「Webでデザイン」を展開しています。
自然言語処理技術を応用したChat GPTの誕生により、AIが身近に感じられるようになりました。それに伴い、まだ改善すべき部分はありつつも、Chat GPTを活用したサービスが増え続けています。そして、今後、Chat GPTだけではなく、AIの技術はさらに進化し続けていき、人間と共存する世界も遠い未来の話ではなくなっています。時代が変化するとともにAIの技術だけでなく、印刷物の価値も変化することでしょう。
我々は、CHANGE・CHALLENGE・CREATIVEの経営理念のもと、市場の動きをいち早く察知し、皆さまにとって価値のあるサービスや商品を提供してまいります。
大洞印刷の取り組みについて「話を聞いてみたい!」などございましたら、以下よりお問合せください。